2025.08.15 23:29老いはなぜ忌避される?土曜日の朝の読書会では、『アンチ・アンチエイジングの思想――ボーヴォワール『老い』を読む』(上野千鶴子/みすず書房)を読んでいます。 ボーヴォワールは「老い」の持つネガティブなイメージを取り揃え、「老い」や「老女」といった言葉は、長い伝統によって悪い意味を負わされてきたと言います。その、ネガティブなイメージを持ち続ける「老い」に、人はいつか、誰でも、到達し、遭遇します。老いには抗えない。遠い先の誰かのこととして自分自身が語ってきた他人事だった「老い」に、自分がなる瞬間が来たとき、人は愕然ととするのです。「老い」が自分の身にもやってくることは当たり前なのに、狼狽えてしまう。 ボーヴォワールは「老いるとは、他者になる経験だ」とも言ったそうです。 ...