おっさんだから・・

森さん発言。「あーまたこのおっさん、言ってるよ」苦笑。 まったくその通りである。 ものがわかった顔をして、そうつぶやく女性たちは多いにちがいない。 そうつぶやいたあとは、ふーとため息をつき、仕事に、家事に、と自身の日常に戻っていく。 きわめてたいそう、空気を読んだ、オトナな態度、というやつだ。 けれど、そうしたきわめてたいそうなオトナな対応こそが、しょーもないおっさん発言、もっといえば性的役割ガチガチ分担な世の中を形作ってきた大きな要素の一つなのではないか。 そう、そういうわたしもその一人。 バブル期に、小さな会社に入った。まわりはおじさんばかり。 自身がおだやかに安定的に生きていくためには、おじさん会話にあいまいに笑うことが最善の方法だった。 グラビア雑誌をながめながら笑いあって「好みのタイプ」を言い合うおじさんたち。 飲み会があれば、お酌をするのが「女の子の役割」と言ってはばからないおじさんたち。 それら一つひとつの場はおだやかな笑顔を保ちながら、やり過ごすこと、おおげさにいえば、生きるすべ、だった。 ほんとの心の声は発信しないまま我慢していた、のだろうか? 自分のこころのなかをのぞいてみる。 すると摩耗して封じ込めて、見ないことにしたまま、なかったことになってしまったかさかさの心の声が、そこにある。 世の中に出る機会を失ったそれは、 芽を出し、葉を茂らせ、花をさかせ、種をつくりそれを仲間を増やすこともないまま今に至る。 森さんの、いや、いまだはびこるおじさんたちの「懲りない発言」は、ある意味、それらに憤る女性たち自身が「大切に」育んでしまった一面もある。自戒をこめて、そう思う。 森さん発言に端を発する一連のデキごと。 自戒をまた、自己満足に終わらせない。 だから、今ここからは、しつこく、淡々と、いつまでも、ことあるごとに、声をあげつづけよう。  

NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。