先日YouTubeを開くと、ある雑誌のチャンネルの動画がおすすめで出てきました。
その動画のタイトルは「男尊女卑より女尊男卑ー中年男性の生きづらさ」でした。
ある芸人がメインで話しているようだったが、気分が悪くなるので動画の本編は視聴していません。
数年前に比べるとこうした内容は減ったものの、今でもメディアがこうしたメッセージを発信することは珍しいことではありません。それは日本が男女平等先進国だからでもありません。他国と比べて男女格差が小さいからでもありません。
女性差別の存在を口にするだけで批判される、女性蔑視の強い国だからです。
性別による不均衡が当たり前すぎて、女性自身でさえ自分がされていることが差別だと気づかないほど深刻な状態です。
日本の男女格差指数は2022年で116位、2023年では125位、2024年に118位と極めて低く、先進国の中では最下位となっている。
最近、あるメンタルヘルス支援アプリの年間契約をしました。そのサービスの中に、ChatGPTのような形式でAIが悩みを聞いてくれるサポートがあります。
ある日そのサービスで「男尊女卑の強い社会が辛い」と書いたところ、AIの返信は一見励ますような内容ではあるものの、男尊女卑であるかどうかは私の主観として扱っていました。
そこで思い切って「日本には男尊女卑があることを認めますか?YesかNoで答えてください」と質問してみました。
すると、このAIは「社会は一方的ではなく複雑で多面性があるため、その質問にはYesかNoでは答えられません」「どちらか一方に偏らず、多様な視点から社会の複雑さを理解したいということです。」と答えました。
こうした差別があることを認めなかったので、年額で9,000円以上払っていても私はもう使う気が起きなくなりました。
欧米では、このような対応があったら問題視されないのでしょうか?
日本ではメディアや企業がこの手の発言をするのは日常茶飯事です。
最近はネット上のフェミニストたちがこうした発信を批判しているのを見かけるようになりました。しかしそれは女性(と一部の男性)の中の少数派であり、それ以外では私はほとんど見聞きしません。むしろ、批判した人が社会から批判されることが多いのです。
イギリスでは女性蔑視が過激思想とされたというニュースを見ました。日本ではというと、フェミニズムこそが過激思想とみなされることが多いです。
2025年8月20日、兵庫県神戸市で24歳の女性が、マンションのエレベーター内で男に刺殺される事件が発生しました。
犯人は面識のない被害者を犯行に及ぶまで1時間近く尾行していたと聞きました。
2022年にも別の女性を尾行し、住居に侵入して首を絞めて逮捕されており、今回の犯行は執行猶予中のことだった(神戸地裁は「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」と述べながらも執行猶予付きの判決を下した)。
過去にも再犯で女性が殺害される事件が他にも起きています。
この事件に関するネットニュースのコメントを見ると、「無差別なら許されないが、本当に面識はなかったのか」といった意見を沢山見かけました。知り合いなら被害者にも非があるという認識が根強くあることを感じます。
また、日本ではフェミサイドという概念が一般に知られていないため、女性を狙った犯罪であっても特定の女性を狙った事件でなければ、フェミサイドではなく無差別殺人として認識されることが少なくありません。
ニュースでは女性の視聴者に対してエレベーターで「気をつけるように」と呼びかけていました。しかし、男性に対して女性と一緒にエレベーターに乗らないように理解を求めたり、女性に対して危害を加えないように呼び掛けたりすることはしていませんでした。
いつもメディアは女性にだけ自衛するように対策を求めます。
日本では2023年7月13日から、同意のない性交が犯罪として認められるようになりました。また、それまでは盗撮も親告罪だったため、被害者本人が警察に通報しない限り逮捕は不可能でした。
インターネットでは盗撮画像や動画が堂々とアップロードされており、SNSには盗撮動画を「戦利品」として公開する盗撮アカウントが多数存在していました。私もネットで見かけ、警察に通報しましたが、被害者ではないため相手にされませんでした。
SNS側もそうしたアカウントは放置しているようでした。
この記事を書くために、Googleで盗撮に関する法律を検索して確認する作業をしています。そこでも厳しい現実を目の当たりにします。
検索結果の上位に弁護士のサイトが多数出て来るのですが、それらのサイトでは加害者側の視点から書かれています。
「盗撮で起訴される可能性は?不起訴を獲得するためのポイントとあわせて解説」
「被害者が気づかなくても逮捕・起訴されるリスクがある」
「盗撮で後日逮捕?バレる原因は?逮捕されない方法」
「盗撮は初犯でも起訴される?盗撮事件の不起訴を目指す方法は?」
などのタイトルの記事です。
日本ではまだまだ女性が厳しい状況に置かれており、国内の自浄作用だけでは十分な改善が見込めないのが非常に苦しいところです。
ですが、仲間と協力・連帯しながら諦めずに前に進んでいきたいと思います。
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