シニア女性の骨作りにはサプリをプラス
ジョギング中に転んで骨折した。
走りやすい気候になり、いつものコースを離れて距離を伸ばしてみようと気分良く足を運んでいたつもりだった。いつのまにか日は落ちて暗くなる中、住宅街を離れて、車通りもない坂道を登り、自分の住む街の灯りをしばし眺めてから下り始めた時だった。何かに躓いたのだ。坂は足元が見えにくかったが、抜ければ幹線道路が見えるはずだった。
なにが理由だかわからないが、すぐには立てなかった。うつ伏せのまま、しばらく状況を把握しようと頭を巡らせる。10mほど後方に、車の灯を点滅させて止まっている車が見えた。気づいてくれたのだろうか。
世の中には天使のような人がいる。この後、その車に乗る見知らぬ女性は、親切にも家まで送ってくれた。何故か立って歩けた私は、腕も捻挫くらいだろうと思い込んでいた。痛みがひどくなったのは夜になってからで、一晩、手と足を氷水に浸し、朝になってすぐに整形外科に飛び込んだ。状況を知り、車で送ると言ってくれたのは、近くに住む友人だった。
そういうわけで、左足指は固定具、左手首はギブスに巻かれて、ほぼ身動きできない状態となって向こう2週間の予定を全てキャンセルした私は落ち込んでいた。何にも希望がないような気がしていた。キャンセルした予定の中には伊勢神宮参拝も含まれていたのに、神様に会うことさえできないのか・・と。
とりあえずは動くカラダをとり戻すことに集中しなければ。車で迎えにきてくれた友人は栄養素に詳しい。骨を作るためにサプリメントを補うことも提案してくれた。もちろん、私も食事で栄養素が足りるなんて思ってはいないから、日頃からビタミン類は摂っている。それでも年齢を重ねる毎に、体への吸収率も低下するらしい。
骨はたんぱく質であるコラーゲンを主体とする基質に、カルシウムやリンなどの骨塩が 沈着してできている。骨カルシウムとリンの比率は約 2:1 で、骨の状態に カルシウムが大きく関係しているにもかかわらず、一般の食生活でカルシウムは摂取不足になりやすい栄養素でもあるという。だからカルシウムのサプリメントでの摂取はオススメだという。ただし、以下のような理由から、単独のカルシウムだけを摂るのではなく、満遍なく必要なビタミンを同時に摂る必要がある。ここからは本当の栄養の話になったが、納得できるのでぜひ。
日本人の食事摂取基準 2015 年版に おける推奨量は 30 歳以上で 650~700mg/日だが、平成 29 年国民健康・栄養調査におい て成人の摂取量の平均値は 509mg で不足が顕著である。カルシウムのサプリメントもあるが、天然の材料で作られたもので、なおかつカルシウムを補う他の栄養素が一緒に入っているものであることが重要。なぜなら、カルシウムばかりを多量に摂取し続けると余計に骨が弱くなり、身体に良くない作用をすることになるからだ。
摂取したカルシウムの吸収率は 5~40%で、素材やその人の年齢・性別などによっても変化する。カルシウムが腸管から吸収されるためには、ビタミン D も関わるが、偏った食事ではビタミン D も不足しがちで、不足は低骨密度や骨軟化症の原因にもなると言われる。加えて、ビタミン K は吸収されたカルシウムを骨に取り込み、マグネシウムは骨の形成を助けるのだという。
なるほど。マルチビタミンが必要な理由がわかる。
骨を強くしたければ、カルシウムだけでは足りない。そもそも、骨はたんぱく質であるコラーゲンを主体とする基質が必要なのだ。タンパク質が不足していては話にならない。コラーゲンは、タンパク質とビタミンCと鉄でできているので、ビタミンCと鉄、タンパク質を分解するための、ビタミンB群も必要なのだと。
タンパク質の摂取も食事だけでは難しい。こんな記事もある。「ゆで卵なら7.7個分!? 1日のたんぱく質推奨量」 食事量が減ったり、ダイエットなどすればすぐに必要量が不足する。
なお、骨粗鬆症には、除去できない危険因子(加齢・女性・人種・家族歴 他)もあるが、除去できる危険因子(タンパク質・カルシウム・マグネシウム・ビタミン D・ビタミン K 不足、リン・食塩の過剰摂取、 極端な食事制限、運動不足、日照不足、喫煙、過度の飲酒、多量のカフェイン)があり、栄養と適度な運動が、筋肉と筋肉を支える骨の健康維持に繋がる。
つまり、加齢と女性であることという除去できない危険因子を持つ限り、骨作りにサプリをプラスするのは王道のようだ。
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