映画「コール・ジェーン」
これはみてよかった。
「コール・ジェーン」。事実に基づく作品だという。
フェミニズムの歴史や視点について「勉強」し、考えるとき、知っておきたいことがセリフやシーンを通じて描かれている。
舞台は1960年代から70 年代のアメリカ。
主人公のジョイは、弁護士の夫を持つ専業主婦だ。
第2子を妊娠している最中に心臓への疾患がみつかる。
母体の安全のためにも出産はあきらめるのが賢明と主治医に言われる。
当時のアメリカの多くの州では、自らの意思による中絶は当時ゆるされていない。
このケースの中絶には病院の「お偉方」による委員会での審査が必要となる。
言わずもがな、「お偉がた」はおっさんばかりだ。
「子どもの生命」というおっさんたちの美しい言葉により、中絶反対多数で却下される。
ジョイは、自らの生命、未来のための意思も認められない。
主治医のサジェスチョンにより他の方法を模索するなかで知ったある電話番号。
そしてジョイは、その「ジェーン」に電話をする。そこでは、違法で高額ではあるが安全な中絶手術を施している。
ジェンダーフリーを目指す、女性グループだ。
そのグループのありようが、いまどきのありようの理想にちかいのに驚く。
主人公のジョイが訪れた大学図書館。肖像画はおじさんがずらり。
女性グループ内での「白人」と「黒人」、また聖職者の意見の違い。
ジョイの夫のとまどい、行動。
ジョイの娘の感じ方。
『フェミニズムはみんなのもの 情熱の政治学』ベル・フックス
と合わせて観るとより「なるほどこういうことか」と合点がいくシーンやセリフも多々ある。
仲間と一緒にみたい作品。
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