ひとりひとりの老後は〜自由に生きてきたわたしだけれどーその7

そろそろ「老後」という言葉も浮かぶ。

この先、夫婦の関係性がどうなっていくのかあまり想像できない。

私のほうは、仕事が面白いし、地域でもそろそろ社会活動を形にしていきたいと考えている。

夫は、相変わらずマイペースのまま。家族のためにあくせく働こうという気持ちはない一方、妻の私の行動に対しても口出さない。ことさらに「女のくせに」ともいわないし「オレ様風(かぜ)」を吹かせるわけでもない。

だが私はどこかでモヤモヤしている。

家事の中心はわたしだし夫はそれを当然のように受け止めている。

なんど家事について言っても夫は、その姿勢を変えることがない。

家事スキルについて、私が教えるということもしてこなかったのも悪いのだろうか。

しかし決して夫が、まったく家事能力がないわけではないのだ。

山手のおぼっちゃまであるわけもなく、義父母は率直にものを言い合う下町のよくある夫婦であり、ことさらに強い男尊女卑の考え方を持っていたわけではない。

義父母も自営業だったので彼は兄弟たちだけで食事をになったり家のなかのことをしなければならなかったはずだ。

もし私が彼より早く逝き、男ひとりの「老後」という事態になったときに、彼が自立的な生活を送れるのだろうか。

長い時間をかけて意地の張り合いをしている気にもなってくる。

意地の張り合い、というより私の一人相撲は、この先ずっと続くのだろうか。

私が体験してきていることは、連綿と根づいてきてしまったこの国の「男社会」に基づく価値観に起こるひとつの現象に過ぎないのだろうか。

だったら何を変えればよいのだろうか。

NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。