読書会で『中高年シングル女性 』を読んで、ひとりで暮らすわたしたちのことを考える


現在、ライターの和田靜香さんの『中高年シングル女性 ひとりで暮らすわたしたちのこと』を、土曜の朝7時からYou too のメンバーで少しずつ読んでいます。今回は第4章まで読んだので感想を書きます。 

 私は、重い障害のある家族といっしょに暮らして来た経験があります。更に、まさに今、母親が中高年シングルで求職中です。なので、この本に登場する人々のことを他人事と思えません。特に印象に残っているのは、第2章に書かれているうめこさんと加東さん。家族介護により体調不良になり、メンタルクリニックで更にひどい言葉を投げかけられたうめこさんや、4人の子供を抱えながらも、介護離職をし離婚、その後、仕事探しに苦労する加東さんの話を読むと、中高年シングル女性が、支援の手からこぼれ落ち、自助努力で這い上がらなければならない様子がよくわかります。

 1985年に、国連女性差別撤廃条約締結が国会で可決されて以来、政府は男女共同参画を国策として推進してきました。男女共同参画を、政府が男女平等参画と名付けなかった理由は、表向き男女平等を装いつつ、裏側でジェンダーに基づく制度的な差別を組み込み、性別分業体制を維持する意図があるからです。例えば、婚姻後、配偶者控除を受けられることは一見女性に優しいようですが、女性の自立を阻害し、性別分業体制を維持する結果を招いています。*ふと、作家の金原ひとみさんが『パリの砂漠、東京の蜃気楼』で、フランスでは「主婦をしている」というと大変驚かれると書かれていたことを思い出しました。フランスでは配偶者控除はありません。その代わり、子供が3歳から無償で学校に通え、大学まで授業料は無料です。また貧困層の多い地域の子供は、朝ごはんを学校で摂る事ができます。手厚い社会保障のお陰で、夫婦共に働きやすい環境となっているのです。子供を家族ではなく、社会全体で育てる目線が必要なのだと思います。

 『中高年シングル女性』によると、年金だけでは「かなり苦しい」と54%以上の人が感じているため、中高年シングル女性の65%以上の人が仕事をしていると書かれています。とても慎ましい生活をしているにも関わらず、ほんの少しだけ生活保護基準外の年金をもらっているため、保護を受けられない人や、生活保護に忌避感があり受けようとしない人が紹介されています。そもそも生活保護というのは、「健康で文化的な最低限度の生活」を送るための支給額であるにも関わらず、基準より少し多い年金を貰っている人でも健康で文化的な生活ができていない状況、また、「最後のセーフティネット」であるにも関わらず、安心して受けられる状態になっていないことがこれを読んでも明らかです。

 第四章まで読んだだけでも、たいへん多くの問題提供をしてくれる読み応えのある本です。これからも皆で深め合いながら読み進めていきたいと思います。

                       参考文献*教室から編み出すフェミニズム,p.98

NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。

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