TERF(ターフ)とトランスフォビア
街のどこにでも桜が咲く美しい季節がやってきました。その下で最近、トランス女性を排除しようとするある団体に遭遇しました。これまでも、トランス女性の存在を信じることができないとする言葉に何度か出会って来ましたが、ショックでした。 そこで、トランス女性を非難する主な層と背景を整理してみようと思います。
非難する主な層のひとつは、TERF(ターフ)と呼ばれるトランス排除的ラディカルフェミニストたちです。「トランス排除的ラディカルフェミニスト(Trans-Exclusionary Radical Feminist)」の頭文字を並べてターフと呼ばれます。トランス女性を一般の女性と同等に扱うことに否定的なフェミニストを指します。その主張は、生物学的な女性(シス女性)の権利や安全が脅かされるという観点からなされます。トイレや更衣室などの空間にトランス女性が入ることに違和感を唱え、「女性」のカテゴリーから排除しようとするのです。もうひとつは、トランスジェンダーに対する嫌悪感や恐怖心に基づく態度や行動を顕にするトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)です。トランスフォビアは、職場、学校、医療現場、そしてSNSなどで、トランス女性に対してハラスメントや攻撃を行います。
攻撃の例には、レズビアンバーなどでトランス女性の入場を拒否する動きなどがあります。今回、私が遭遇したのもこれと同様でした。一部の性的マイノリティ当事者 によるLGBTQ+コミュニティ内でのトランス女性排除の議論もあります。非難の論点は主に3つほど。ひとつはトイレ・更衣室・女子大学の利用についてです。「身体が男性の人が女性用トイレや更衣室に入ると女性の安全が脅かされる」という懸念や反発がバッシングの主な理由です。もうひとつは、スポーツへの参加排除の声です。「生物学的な性別に基づく身体能力の差が不公平を生む」として、トランスジェンダー選手が女子カテゴリーで競うことに否定的な意見を持っています。また、性の認識は、「生物学的な性別(身体)がすべて」と考え、性自認に基づく女性としての生き方や権利を否定する言説があります。 アメリカの動向もトランス女性排除に大きく関わります。トランプ大統領は、「性別は男性と女性の2つのみというのが米政府の公式な政策となる」と就任演説で語り、公的機関はトランスジェンダーを排除の方向へ動きました。
これらのLGBTQ+を取り巻く 社会的背景を見ると複雑です。インターネット上でトランス女性に対するバッシングや差別的な言説は増加傾向にあります。「男性のままトイレや女湯に入る」といった極端なデマや誤解がSNSで拡散されれば、当事者に対する攻撃につながります。この問題は「女性の権利」と「トランスジェンダーの権利」の対立構造として語られますが「ジェンダーに基づく差別」と言い切ることもできます。 トランスジェンダーの人々は、どこにでもいる普通の人間です。差別的な言葉やヘイトスピーチはあってはならないのです。最近では心と身体が一致しないことがあるとの研究が進んでいます。旧来の思い込みで判断しないよう、私たちは頭を常にアップデートして行きたいし、まず、人権を第一に考える人でありたいと思うのです。
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