私が趣味サークルをやめたわけ

男女雇用機会均等法、育児休暇制度…政策面では性別による不平等さをなくそうとしているけれど、個人個人の「平等」という感覚にはまだまだほど遠い。そんな経験を語ります

私の趣味は女性には珍しい「鉄道」でした。旅行が大好きでしたが、私には車がなかったので、移動はもっぱら鉄道。そのうち時電車の組み合わせで全国どこでも行けてしまうような感覚が楽しく、気が付けば時刻表を眺めていたのです。
ふと自分が眺めているこの風景に自分が乗っている列車が入ったらそんな写真になるだろう。それが鉄道写真にチャレンジしようと思ったきっかけでした。

とはいえ、写真の撮り方も一眼レフカメラの操作の仕方もわからない。貯金をしてカメラを買い、見よう見まねで撮影していくうちにどんどん写真を撮るのが楽しくなってきました。

そのうち、ただ撮影しているだけでは物足りなくなり、SNSに投稿するようになったのです。

ところが、鉄道写真というのは圧倒的に男性が多い世界。女性が投稿したというだけで注目を集めるように。それも妬みのコメントが付いてくるようになります。写真の些細なところにケチがつき、女というだけで目立っていいなとまで言われるようになりました。



男性社会に入り込んだときの異物感。これって…最初に総合職に就いた女性たちは同じ思いをしたのでしょうか。


もちろん、私のほかにも鉄道写真を投稿する女性はいます。しかし、それは趣味を同じくしたパートナーがいる方です。全員と話したわけではありませんが、そういう「盾」を持たないと叩かれまくる世界だと感じました。

やがて、写真展を開くサークルにも誘われました。主催の方曰く「女性がいると華があっていい」のだそうです。しかし、「華」の扱いはどうだったでしょうか。会の告知、司会をすべて引き受けましたが、会を運営する側の役員に入れてもらえることはありませんでした。あとで役員を辞めた方から聞くと、月に一度、役員会と称して会費で飲み食いをしていたとのこと。もちろん会員から集めたお金です。

楽しみの世界までモヤモヤした思いを抱え込む必要などない。女性を駒のように使うなんていったいいつの時代でしょうか。一気にくだらなくなり、サークルを退会。鉄道写真からも一線を引きました。

引いてみて思うこと。男性同士マウントしあっているところに、私は入りこんでしまったように思います。ただでさえ、男性同士で技術を競っている。そこに女性が入り込み、さらに張り合う相手が増えたと感じた人も残念ながらいたのです。

幸い、皆さんが全員そう思っているわけではありません。年に1,2度投稿し、それでもつながっている方はたくさんいます。ガラスの天井を体感したことで、自分なりの距離の取り方を探ろうと思います。


NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。

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