前回、Alliece You Tooのメルマガで「ミモザの花は3月8日の国際女性デーのシンボル」とお伝えしたところ、読者の方から「感謝を表すミモザが国際女性デーのシンボルになっているのはイタリアだけで、日本では国際女性デーの意味が歪曲されている気がする」というご指摘をいただきました。そこで少し調べてみたところ、日本における、国際女性デーについての認識の浅さ、またはずれのようなものが見えてきました。
*以下はWikipedia等のインターネット上で得られた情報をもとにした内容ですので、正確性に欠ける部分もあるかもしれません。その点をご理解いただければと思います。
【国際女性デーの由来】
国際女性デーは20世紀初頭のヨーロッパと北米での労働運動に端を発し、女性の社会的、政治的、経済的な功績を称えるとともに、世界中で女性の権利向上と平等を推進するための重要な日として位置づけられています。
【国際女性デーの主な歴史】
1909年:ニューヨークでアメリカ社会党によって、女性労働者の権利や参政権を訴えるための「女性の日」2月28日が開催されました。
1910年:コペンハーゲンで開催された国際社会主義女性会議で「労働婦人の日」の設立が提案されました。
1911年:オーストリア=ハンガリー帝国、デンマーク、ドイツ、スイスで初めて国際女性デーが祝われました。
1917年:ロシア・ペトログラードで3月8日に女性労働者が「パンと平和」を求めてデモを行い、ロシア革命の始まりとなりました。
1922年:ウラジーミル・レーニンが3月8日を女性の労働や社会への貢献を称える祝日と宣言。その後、社会主義運動や共産主義諸国で祝われるようになりました。
1977年:国連が3月8日を「女性の権利と国際平和の日」として祝うよう呼びかけました。
【国際女性デーとミモザとの関連】
イタリアでは、1946年に共産主義者の政治家テレサ・マッテイが、国際女性デーのシンボルとしてミモザを選びました。また、ソ連では、レーニンの妻であるナジェージダ・クルプスカヤが、この日にミモザの花を女性に贈ることを提案したと伝えられています。ミモザは、これらの国々で3月初旬に安価で手に入りやすい花でもあったため、広く普及しました。現在では、イタリア、ロシア、ウクライナ、その他の旧ソ連諸国で、3月8日とミモザが関連付けられています。
【世界における国際女性デーの扱い】
旧ソ連諸国や東欧諸国、アジアやアフリカの一部など、27か国で、国際女性デーが公式な祝日として認められています。(ロシア、アルメニア、ベラルーシ、カンボジア、キューバ、グルジア、ラオス、モンゴル、モンテネグロ、ロシア、ウガンダ、ウクライナ、ベトナム 等)
ソ連時代、ロシアをはじめとする国々では、国際女性デーには男性が女性に感謝の意を示すために、花やケーキを準備し、家事や料理を担当するという習慣がありました。現在でも、旧ソ連に属していた国々では「男性が料理や家事をする日」としてこの習慣が残っていることがあります。他のいくつかの国々も、実際に女性が仕事を休む慣習があります。
イタリアでは、国際女性デーは公式な祝日ではありませんが、ジェンダー平等や女性の権利に関する社会的課題についての集会やデモが行われます。メディアでは、女性の権利、ジェンダー差別、家庭内暴力、性別による賃金格差など、女性に関連する問題を特集することが一般的です。
【日本における国際女性デー】
日本では、1923年3月8日、社会主義フェミニスト団体の赤瀾会が、日本初の国際女性デー「国際婦人デー講演会」を開催しました。現在、毎年3月8日に男女共同参画担当大臣が国際女性デーに寄せたメッセージを出しています。
しかし少なくとも現時点では、日本では国際女性デーは祝日でもないためか、あまり認識されていませんし、認識されても「感謝」や「お祝い」の日という印象が強いように思われます。
3月8日になると、百貨店や花屋などでミモザを使ったキャンペーンやイベントが行われ、マスメディアでは「3月8日は感謝を表すミモザを贈る日」といった内容が報道されても、女性の権利や男女平等について言及した報道はあまり目にしない印象です。
本来、国際女性デーは女性の社会的、政治的、経済的な貢献を認識し、女性の権利向上と平等を推進するための日です。その国際女性デーが「感謝のしるしに女性に花を贈る日」と単純化されてしまうと、ジェンダー不平等や、女性の闘いの歴史が無視されているような気分になります。「何への感謝か認識もしていないのに、感謝のしるしのお花だけ渡されてもなぁ」「感謝すればそれで終わりにして良いことか?」ともやもやします。(このあたりについては、また別途、考察したいと思います。)
しかし2022年(つい最近ですね)から、国連人口基金駐日事務所とNHK・日本テレビなど7社が共同で、国際女性デー啓発キャンペーンを実施し、女性の健康や女性が抱える社会問題・ジェンダー平等、女性の権利啓発を目的としているようです。
今後、国際女性デーと、その本来の由来と目的が本当に認知され、女性の権利向上と平等が推進されていく事を願います。
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