したくないことはしない、をする?
38歳独身女性が、会社ではリーダー的な存在として働きつつ、ローンで、貸住居付きの家を買って暮らし始める。
彼女は、家事をしない。お金を払ってハウスキープを頼み、食事は外食かテイクアウトで済ませる。
そんなとき、同じ会社で働く男性同僚(女児がひとりいる)が現れる。彼は料理、掃除、洗濯など一般的な家事が得意であり女児の子育ても当然おこなっている。
38歳独身女性が家事をしないのは、いわゆるちょっとしたトラウマだ。
彼女の母親は、専業主婦だった。しかし決して楽しそうには見えなかった、と記憶している。それが原因なのか、あるとき、夫以外の男性とともに家を出てしまう。「ごめんなさい」、一言のメモだけを残して。
ただあるとき、ひょんなことからこども食堂の手伝いに行く。
料理はからっきしだめだけれど、じゃがいもをひたすら潰す作業を担当する。
つぶしたじゃがいもは、子どもらがカレーライスとともに食べるポテトサラダに。子どもらは、美味しい美味しいといって食べている。
それをみていて、ほんわかとハッピーになる彼女。
そしてはたと思い至る。母親も、自分たち子どもがおいしいね、といって食べる姿を見てうれしく幸せだったのではないのだろうか、と。
「専業主婦」という足枷に苦痛を感じて家を出た、という自分の捉え方にも疑問が生じる。
ふむ。
なんだかな。
コミックを原作とした人気のドラマだ。おもしろく見ている。
好きなシーンも多い。
人気料理系ユーチューバーの、ふだんはシャイで話し下手な様子も微笑ましいし、子連れパパの、たいそうな生真面目ぶりも好きだ。
だけど、なんだろう。
けっきょく、そこ、やっぱり強調したいのか?というモヤモヤが湧いてくる。
「母性」という呪文がそこに見え隠れすることに警戒心をいだいてしまう。
やっぱりお母さんって素敵だね、お母さんは、おうちで子供たちの帰りを待って美味しい料理をつくって夫と子供たちに美味しいよと言われながら食べてもらうことで幸せややりがいを感じるものなんだよ。それこそ、「女性の鏡」。
みたいな呪文の続きが聞こえてきそうで。
もちろん、繰り返すけれど、ドラマは面白いし今後の展開も、単純に楽しみだ。
だけど、ふと。
「世間」で言われがちな着地点にほっとする気持ちに陥りそうな状況にはいったん「もやもや」させたまま、結論を先延ばしにしたいな、と思うのだ。
そしてそのもやもやは、「もやもや」を抱えている女性たちに共有し、ああだこうだと話したい。
わたしたちは、ずっと前に進んでいるのだから。進まなきゃいけないのだから。
Youtooでは、東京ウィメンズプラザでリアルイベントを開催します。
ぜひ一緒に「もやもや」を可視化しましょう!
- 【女性(自認)対象】書き出せば見えてくる!”Find Myself”ブレインダンプ*で自分の声に耳を傾ける
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