彼女の権利、彼らの決断
●女性たちが自分で生きかたを選択するための・・・
「彼女の権利、彼らの決断」という映画を観た。
女性たちが味わってきた望まない妊娠に関わる苦悩の歴史、中絶についての法律、中絶反対、賛成それぞれのスタンスの人々の攻防、中絶関連法案の政治利用について描いたドキュメンタリーだ。
前半、1900年代初期の様子が映し出される。
みていると、子宮のあたりが痛くなる。
大正生れの祖母に、農家の女性たちが自らおこなったという「掻爬」の話を聞いたときの衝撃を思い出す。
学生時代の、男性の指導教授が、男性は女性と交際する時点で、妊娠についての責任を常に考えなければならないと涙ぐみながら話されたことが頭に浮かんだ。
だがこの映画には「射精」した側の男性たちは一切登場しない。
●「自由の国」
この映画の舞台はアメリカだ。
アメリカの自由の女神の、自由ってなんだろうと考えてしまう。
望まない妊娠して、出産、育児放棄になれば、それは命を尊重することにはならないではないか。
この映画に登場する中絶反対派の「いのちは尊い、赤ちゃんを殺してはいけない、命をまもろう」という主張は、いかにもひとりよがりのまやかしに見えてくる。
そして、「生む生まない」の問題は、女性が自分のことを自分で決めるための重要な権利の一つであるにもかかわらず政争の道具として使われてきた。
誰のための政治なんだろう。
人の命や人生を、政治に利用しないで欲しい。
アメリカは不思議な国だ。超一流の先進国だと思わされてきたけど、実はとてもプリミティブなのでは、と思えてくる。
多くの人が、銃を持ってるしさ。
写真はIMDbより
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