生き方のある、いきかた
加藤美紀さんの個展に伺った。
加藤さんはずっと女性の絵を描き続けてきた。
「生き方」のある女性を描く。
そんなありようを描くときに、男性はイメージできないのだという。
だから、女性だけなのだ、と言っていた。
刀を担ぐ女性は乙女稲荷の化身だそうだ。
おんなを苦しめるおとこの首をこの刀で切り落とす。
「もしかしたら、もう一方の手には、首を持っているのかもね^^」と笑う。
大型犬をお供に、カメラの手入れをするのはフリーランスのフォトグラファー。シングルワーキングウーマンだ。
一人で、生きていく、その生き方を淡々とつらぬいてきた方なのだそうだ。
かと思えば、ひとりのひとに、恋焦がれ続けて一筋の女性も描かれる。
一筋に思いこがれたひとは、角(つの)のある骸骨として描かれている。
女性の生き方、というと何かの覚悟を持った、闘いの歴史、などという言葉と結びつく。
一方で、さまざまな環境、関係のなかで、ただ一筋に、自身の生き方を、生きてきた自立・自律のかたちもあるのだと感じる。
ギャラリーを訪れる方は、着物好きの方、銘仙好きの方、美紀さん描く世界に魅入られたファンたち。
個展が開催されているギャラリーは、路面ながら、たまたま通りすがって、という方は少ないようだ。
美紀さん自身は、芯の強さ、凛とした美しさを備えた女性。
お話しすると、やわらかさ、じんわりと滲み出る相手への思いやりのこころが感じられる素敵な方だ。
at 銀座Gallery MUMON
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