北欧に学ぶフェミニズム

 Alliance YouTooの主催する2021年秋のリレーセミナー第一回は読書会でした。読んだのは、『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』というスウェーデンの作家サッサ・ブーレグレーンの児童書です。翻訳者の枇谷玲子さんがナビゲートしてくださったセッションは、著者のサッサ・ブーレグレーンの紹介から始まりました。

 サッサさんは、「民主主義」に興味をお持ちなのだそう。この本も、民主主義をタイトルに入れたかったそうです。たくさんの子ども向けの本を書きながら、民主主義については、ワークショップも行っています。ご自身のHPにもその様子を載せています。サッサさんは、子どもにも選挙権があっていい、と思っているようです。なぜなら、子どもの方が人の気持ちをよく理解できるし、自分の考えをきちんと持っているからだそう。

 こちらがサッサ・ブーレグレーンさんのHPです。

『北欧に学ぶ小さなフェミニストの本』に出てくるのは10歳の女の子、エッバ。ある日、新聞を見ていたら、男性ばかりが並ぶ写真が目に入ります。それは『世界の権力者』と題された写真で、8人のスーツを着た男性が並んでいるものでした。G8ジェノバサミットに出席した首脳たちです。エッバは、そのおじさんばかりが並ぶ写真に、女性や子どもがいないこと、同じおじさんでも、アジア人はひとりしかいないし、有色人種はいないことに気づき、ショックを受けます。

 こうして、エッバはフェミニズムに興味をもちはじめました。では、私たちは同じ写真を見て、どう思うでしょうか?

 毎日のように新聞やテレビに流れるニュースは、よく見ると男性が主体であることが多い。でも、誰もエッバのように「おかしい」と言わないのが現実です。政治家というのは、私たちを代表しているはず。では、今の政治家が自分の思いを代弁してくれそうな気がするでしょうか?

 気づくと、そうでないような気がしてきます。

 読書会の最初の質問は、「私たちの周りで、男性ばかりだと思った場面はありましたか?気づいた時、何を思いましたか?何をしましたか?」というものでした。改めて考えてみると、それぞれに思い当たることがありました。そして、話は盛り上がり・・

 こうして話してみることは大事だと気づきました。私たちがエッバの住む北欧から学べることは、本当にたくさんありそうです。今度はぜひ、サッサさんともお話をしてみたい、と思ったのでした。(写真はサッサさんのお宅に飾られた作品群)

NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。