美少年の愛と葛藤に映し出されるセカイ

YouTooの読書会では、この8月、『トーマの心臓』を読んでいる。1974年に『週刊少女コミック』で連載された萩尾望都の作品だ。とても古い。

 

 ぼくは

 ほぼ半年のあいだずっと考え続けていた

 ぼくの生と死と

 それからひとりの友人について


 少女が読むには大人びた、難しいストーリーだが、おませな、ちょっとリッチで文化的な家庭の少女たちが読んだのだろうか。1970年代に毎週、漫画雑誌を買えた女の子は、普通の子ではなかったのではないか。読書会では、読者層について、そんな話が出た。

 今、アジアでは、美少年の美しい愛が描かれるボーイズ・ラブ・ドラマが満開だ。日本では、テレビドラマにも進出している。視聴者は女性が多いらしい。でも、少年愛が描かれる『トーマの心臓』は、そのBL路線とはちょっと違う。
主人公の美少年たちは、少女として描けなかった世界を代弁している。そんな描き方がされている。

 愛を信じられなくなったユーリをどう見るか。
自分で死を選んだトーマをどう見るか。
そんなことを、一緒に考え、話してみると、いろんな思いが湧き上がってくる。 


 これがぼくの愛

 これがぼくの心臓の音

 きみにはわかっているはず


これが少女のストーリーとして描かれていたら・・・ 


 読書会、ぜひご一緒しましょう。

 毎週土曜日 朝7時から8時
オンラインで。 

YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。