私の婚活振り返り②

「またの機会に…」

家に着いた時に「無事帰宅されましたか?」とメッセージが来たので「今ついたところです。ありがとうございました」「Aさんもそろそろ着く頃ですね」などと返信した。

Aさんと会ってから数日間、人はなぜパートナーではなく結婚するのだろうと考えていた。結論は、結婚すると、他の人よりも結婚相手を特別扱いすることが、合法的に堂々とできるという事だ。

・災害時に家族を1番に助けても、皆が当然だと納得する。

・財産を共有できる。

・入院に付き添える。

・外国移住にも同行できる。

・法的に、相手の代理人のようなものになれる。

結婚が何かということをなんとなく整理できた後、とりあえずAさんにもう1度会ってみようと思い「今度、ここに行って、こういう事しませんか?」と誘ってみたところ「今週末は予定が立て込んでいるのでまたの機会にお願いします」という返事が返ってきた。

私は「今度」って言ったのに「今週末」って限定しているし「またの機会に」と言いながら別の日程や別のプランは提案しないので、これは遠回しに断っているんだろうとわかった。そして嫌な気分になった。

嫌な気分になったのはなぜだろうか?

自分なりに分析した嫌な気分の理由と、私の対応。

理由1

私はもう1回会おうと思ったのに、Aさんにとって私はもう1度会うほどの価値もなかった。

対応1

①自分はもう一度会いたいと思われなかったと記憶しておく

②これからは、もっと私と一緒に時間を過ごしてくれる人達に感謝し、気分良くできるように努力する。

*②は前から思っていた事でもあるが、そのためには自分が安心して幸せである事がまず最優先だと思い、そればっかり努力してきたかもしれない。

--------------------

理由2

Aさんは楽しそうに振る舞い、楽しかったと言っていたが、本当のところは私と2度と会いたくなかった。さらに「またの機会によろしくお願いします」というメッセージは「もう会いたくありません」を意味する。

拒絶とその理由はコーティングされていて、先方が本当に言いたい事(拒絶)の読解と私が次にとるべきアクション(もう連絡しない)を導き出すのに少し知恵が求められる。

でも大人の他人同士の関係では、このコーティングと共に生きていかなければならないのだろう。

対応2

私が嫌な事をした時に嫌だって伝えてくれる人に感謝する。コーティングに慣れる。

--------------------

理由3

私のなかに、微妙な罪悪感がある。ご飯を奢ってもらい時間を割いてもらったのに、嫌な思いをさせたのかもと思って、申し訳ないなと思った。

対応3

この罪悪感はいらない。ご飯に誘ったのも奢ったのも先方だし、勝手に何か我慢したのも先方。

--------------------

理由4

私はAさんを羨ましく思い嫉妬した気がする。Aさんには、自慢できそうな事がたくさんあって羨ましい。なぜこの人は(離婚以外)こんなにも人生全部うまくいっているのだろう。私はいろいろうまく行っていないのに。バカにされたり、呆れられたら嫌だなぁ、と少し怖かった。

対応4

後で考えよう

分析して対応について考えているうちに、疑問もわいてきた。

私のどのあたりが断られたポイントだろうか。心当たりはいろいろあるけど、実際どれだったんだろうか。それとも他の、まったく気づいてない事だろうか。理由がいくつも思い浮かんでくる。

・思いやりやデリカシーがない発言をしすぎた?もしかしてどこかの政治家のように、私はあの人の人間性や人生を尊重しない失礼な発言をしていた?

・言葉遣いとか、しぐさが下品だった?

・話の内容が、Aさんからしたら幼稚だった?

・Aさんの話の腰をおったり、揚げ足取りをした?

・経済力のなさ?

・男の人に好かれるという言葉「さ(さすが)し(知らなかった)す(すごい)せ(センスいい)そ(そうなんだ)」等はぜんぜん言わなかったが、無愛想すぎただろうか。

・褒めなかった?

・話しているとき、気づかないうちに唾が飛んだり白目になったり顔を歪めたりしていた?

ここまで考えてきて、私は何か間違っている気がしてきた。

社会適応性の高い優秀なタイプの男性に気に入られて結婚したら得することが多そうだから、できればそうしたい。自分の安全や安心のために権威や権力が欲しいし、自分の力でそれを持つ事ができないなら、権威や権力がある人と結婚してでも手に入れたいと思う。

にもかかわらず、実際には、そういう人に気に入られる努力をしていない。なぜだろうか。劣等感だろうか。自分が能力的にかなわない事を認めるみたいだから悔しいんだろうか。単なる怠慢だろうか。

理由の一つは、どうせ私なんて好かれないだろうと思っているから努力をする気にもなれないのかもしれない。

もう一つの理由はなんとなくおぼえた抵抗感だ。もしかすると両親の影響かもしれない。

Aさんは父を思い起こさせた。私の父はAさんと同じ業界で、少し似たタイプの人だ。Aさんほど多岐においてスマートじゃないが、間違ったことをしない、あたりのやわらかい優等生だ。

子供の頃、私は父をずっと毛嫌いしていた。なぜ父親が嫌いだったかというと、はじまりは、私が父親を嫌ったりバカにすると母親が喜んだ(と感じた)からだ。その後、父親に何度か体罰をされてもっと嫌いになった。

当時の父親より歳をとった今は、以前よりは父親が理解できるし共感もし、感謝もしている(体罰は許さないが)。

父親が家で母親に嫌われていたり見下されている場合、その娘は父親と似た男性を好きになれないとか?だからAさんに対して私は抵抗感をおぼえたとか?

自分以外に責任転嫁をする都合の良いストーリーのような気がするが、要因の1つではあったかもしれないし、そうであるなら根本的なところかもしれない。

そして、これも想像でしかないが、もし私の母親が父親の事を大好きだったら、父と似た男の人達との関係や、今回のことも何か違っていただろうか?

感想

Aさんは村上春樹の小説が好きだと言っていた。

離婚をする前の彼だったら、絶対に村上春樹の小説には出てこないタイプか、出て来ても描写は2行未満の登場人物だろう。

でも離婚をしていろいろ試している今なら、短編小説の主人公になれるかもしれない。というか、なりそう。別になりたくもないと思うけど。

終わり

NPO法人YouToo

生きづらさを抱える女性たちの思いに「You Too」と寄り添う場です。 もやもやする気持ちを言葉にし、生きづらさの背景を考え、学び、生きやすい社会を作るために連帯して声をあげていきます。「わたし」を主語にして話すことで、あなたも、社会も、元気になる方法を探せるはず。 NPO法人YouTooには、あなたと同じ思いを持ったわたしたちがいます。